産業用から一般消費者向けまで、広範囲な電気・電子機械機器の設計・開発・製造及び販売を展開するエマソングループ。米国ミズーリ州セントルイスに拠点を構える世界有数の大手電気・電子機器メーカー『エマソン・エレクトリック』の日本法人です。日本国内では関連企業の合併事業も含め、12分野で事業展開を進めています。
2023年8月には、ビジネスの効率を高め、高い付加価値の創出を目指し、都内のグループ4社3拠点を移転統合しました。ゼロインはこの移転に際して、移転に伴う総務業務の代行、新オフィスにおける総務業務の再設計、オフィス運用ルールの設計・実装サポートと、設計と実行の両軸で伴走しました。
ゼロインがこのプロジェクトでどのようにお役に立てたのか、人事総務室長の長江さん、人事総務室 マネージャー 塩津さん、人事総務室 HRコンプライアンス担当 ダイレクター 角木さん、人事総務室 中澤さんに話をうかがいました。
お客様情報
導入の目的・背景
ゼロインのサポート内容
ゼロイン:今回の移転は、グループ会社を含めた4社3拠点を移転統合する大規模なものでした。どのような背景から移転が行われたのでしょうか。
エマソングループは、M&Aを繰り返しながらビジネスを拡大してきた会社です。グループ各社が連携することでオペレーションを効率化し、お客様により高い付加価値を届けていこうという方針のもと、海外では積極的に拠点の統合を行っており、日本でも移転統合を進めることになりました。
移転統合前は、品川に日本エマソン株式会社と日本フイツシヤ株式会社の約140名、上野にエマソンバルブアンドコントロールジャパン株式会社の約50名、大門に日本アスコ株式会社の約20名と、グループ4社が3拠点に分かれていました。
2年ほど前に移転コンセプトが固まり、移転候補地が決まったのが昨年9月です。そこから移転プロジェクトが具体的に動き始めました。
ゼロイン:移転統合の計画にあたり、どのような悩みがありましたか。
総務は余裕を持った体制ではなく、それぞれが100%で仕事を抱えているところに、移転プロジェクトという大きな仕事を追加で対応しなければなりません。移転に際しては、膨大な量の検討事項やレビューだけでなく、オフィス環境が大幅に変わることで新たな運用ルールを策定する必要もあります。
移転がない状態でも十分忙しいのに、さらに新たなタスクが追加されることへの負担感や、未知の業務にどのように対処すれば良いのか、不安を抱えていました。
ゼロイン:ご自身の仕事で手一杯な中、移転準備はどのような体制で始められましたか。
4名で担当していましたが、それぞれが総務業務と別の業務を兼務しており、総務業務に投入できるリソースは非常に限られている状況でした。なんとかしなければいけないと思っていたのですが、それを考える余裕すらありませんでした。
そうした中で長江さんから「外部リソースを使った方が良いのではないか」と提案がありました。たしかに、総務部門としてオフィス移転のプロジェクトを経験する機会は、そう何度もあることではありません。移転の経験がない中で効率的なプロジェクト推進は難易度が高いと思いました。
そこで、専門サービスを展開していてオフィス移転に豊富な知見を持つ、プロの力を借りた方が良いと考え、知り合いから紹介を受けたのがゼロインさんです。
ゼロイン:エマソンさんとゼロインで定例会を密に重ねながら、プロジェクトを進めていきました。
ゼロインさんにプロジェクトマネジメントを担っていただいたことで、リズムを作りながら進められたのは非常に助かりました。ゼロインさんに常駐いただいて準備を進めましたが、対処・判断しなければならない検討項目を洗いだしてみると、約200項目もありました。
何をしなければならないのかの業務整理、誰が何を担当するかの役割分担、新オフィスの運用ルール設計などを、通常業務を抱えながら自分たちだけで進めることは、到底できなかったと思います。
この200項目を確認・判断するための情報整理はゼロインさんがすべてやってくれましたし、重要な内容はグッと踏み込んでくれたり、それほどでもない内容はスッと流したり、状況を見ながら自然とやられていた印象です。
当然、判断に悩むこともありましたが、ゼロインさんが上手く定例会をリードして、限られた時間の中で確実に進捗させてくれました。200項目を1時間の中ですべて確認していくタイムマネジメントは、素晴らしい手腕だったと思います。
ゼロイン:期待されていた移転に関する知見はいかがでしたか。
ゼロインさんは、移転プロジェクトで発生しがちな困りごとやトラブルの経験を豊富にお持ちで、私たちが気づけない課題の指摘や、後工程を見据えた最適なやり方のアドバイスなど、毎回気づきを与えていただきました。
細かい話ですが、運用ルールを策定する中での文具リスト作成のアドバイスが記憶に残っています。4社統合を機に、各社で購入していた文具を共有化することにしましたが、どこに何を置くかを決める必要がありました。
クリアファイルやマジックやボールペンといった文具の種類から、色や数量まで細かいルール整備が必要です。一から作ろうと思うと、必要文具の洗いだしや適正数量の確認など意外と手間がかかりますが、ゼロインさんが他社総務の運用ルールをもとにリストを作ってくださったことで、その内容をもとに判断・議論がスムーズにできました。
内容は地味で単純ですが、忙しい中で想像以上に負荷がかかります。こうした業務を簡潔に整理して、土台を整えていただけるおかげで、私たちの負担は大幅に軽減されました。また、プロの経験や他社での運用実績にもとづく提案ですので、「これで本当に問題ないか」と、不安に思うこともなくなりました。この心理的な負担がなくなったことも大きなポイントです。
ゼロイン:移転に関する社員のみなさまからの問い合わせ対応もゼロインでお手伝いしました。
社員には、「移転について何かあれば、ここに問い合わせしてください」と、ゼロインさんの名前を出してアナウンスしていました。直接コンタクトを取ってもらっていましたが、状況を正確に把握しているゼロインさんにタイムリーに対応いただけることで、質問に関する回答をすぐに得られて助かっていたと思います。
ゼロインさんは、困っていそうな社員を見かけたら率先して声をかけて、直接やり取りをされていました。そういう声がけの積み重ねで、「ここに問い合わせれば何でも答えてくれる」というブランディングもできあがっていたと思います。
結果、社員からのクレームは出ませんでした。総務の業務は「問題なくできて当たり前」というイメージもありますが、特にクレームがなかったことは社員からの一定の評価と言えます。
ゼロイン:今回、ゼロインのアウトソーシングを活用されていかがでしたか。
当初は派遣社員の活用をイメージしていたのですが、私たちが具体的な指示まで出さなければならず、手がかかることが懸念でした。今回ゼロインさんに依頼して、基本的にはお任せし切れる点が非常にありがたかったです。正直、ゼロインさんがいなかったらと思うとゾッとします。
かゆいところに手が届くところ、細かいことを言わなくてもプロジェクトが進んでいくところが魅力ですよね。総務は何でも対応する部署なので、幅広い業務を分かっていないと対応できませんし、業界のスタンダードも把握している必要があります。そうした意味で、経験豊富なゼロインさんは安心できました。
また、みなさん人柄が良く、ストレスなく仕事ができるところも重要なポイントです。ゼロインさんは社外の組織の中で仕事をすることに慣れていて、「3年前から一緒に働いていましたっけ?」と思うほど、当社に馴染んでいましたよ。文化や人となりを素早くキャッチして、コミュニケーションの仕方をチューニングされていましたよね。
「こうしたら良いのではないですか」「これも私たちがやりますね」と、次々に提案するスタンスも感じていました。悩んでいるとゼロインさんから声をかけてくれ、とてもやりやすかったです。私たちも遠慮せず、頼りにしていました。
ゼロイン:新オフィスではフリーアドレス制を導入するなど新しい試みが満載で、今後どのような変化が生まれるのか楽しみですね。
運用ルールを丁寧に準備していただいたので、現場で大きな混乱が起きることもなく、フリーアドレスにみんなが適応できています。
「会話がしやすくなった」「グループ会社間でもさっと打ち合わせができるのが良い」「このオフィスがすごく好きです」という声をもらっています。さまざまな部署と一緒に進めるプロジェクトも多く、良いオフィスになっています。
会社やユニットの垣根を越えて一つのオフィスを共有している今、コラボレーションや協働がより生まれるように取り組んでいきたいと思います。
担当者の想い
人事総務室のみなさまとゼロインがワンチームで運用設計したオフィスルールによって、移転後でも社員のみなさまが快適に働けているとお伺いし、大変嬉しく思います。
移転直後は、慣れないオフィスに不安を感じる方もいらっしゃったと思いますので、お問い合わせの際には、最優先事項として迅速な対応を心がけていました。
3か月という短い期間ではありましたが、オフィスに常駐させていただくことで、みなさまと一つひとつのタスクについて話し合いを重ね、細かなことろまで決めることができました。だからこそ、フリーアドレスを導入した「新しい働き方」を、大きな問題が起きることなく実現できたと思います。
移転後のある朝、社員の方から「昨日はあの席に座っていたのですが、今日はこの席に座ろうと思います」と嬉しそうにお声がけいただいたことを思いだします。移転が成功したことを実感し、人事総務室で思い描いていた「新しい働き方」が浸透し始めていることを実感して、嬉しい気持ちになりました。
これからも「お客様の中に入り込み、提案から実行まで伴走する」というゼロインの強みを生かし、お客様との日々のコミュニケーションを大切にしながらサポートさせていただきます。