フラッシュメモリとSSDのリーディングカンパニーであるキオクシア株式会社。株式会社東芝からメモリ事業の分社化(東芝メモリ株式会社)、東芝グループからの独立、社名変更を経て現在に至ります。
ゼロインは現在、キオクシア株式会社の人事総務部において、総務カウンター業務と採用業務を計8名体制でお手伝いしています。
分社化・独立によりキオクシア独自の総務機能の立ち上げが急務となった2017年10月からサポートを開始し、総務組織の立ち上げ、本社オフィス移転、総務カウンターの立ち上げと、業務整理・標準化と実行の両軸で伴走しながらサポート範囲を拡大してきました。
総務の立ち上げから安定化に至るまで、ゼロインが総務づくりのどのようなシーンでお手伝いできたのか。人事総務部の総務担当グループ長 米田さんと主務Iさんに話をうかがいました。
お客様情報
導入の目的・背景
ゼロインのサポート内容
ゼロイン:分社化による総務組織の立ち上げタイミングでゼロインにご相談いただいたことがお取引のきっかけでした。当時、新会社の総務はどのような状況だったのでしょうか。
分社化は、東芝という非常に大きな会社からメモリ事業部のみを切り出す形で行われました。そのため、新会社にはバックオフィスのスタッフがほとんどいないような状態で、総務には社員が2名しかいませんでした。
ただ、当初はあくまで子会社という立ち位置であり、親会社のバックオフィス機能を活用できる想定でした。ところが、子会社ではなく完全に独立する方針になり、キオクシア自体が本社機能として独自のバックオフィスを構築する必要が出てきました。
人が不足していることは明らかでしたが、親会社からの支援はいずれ無くなっていきますし、新しく採用を行って育成やマネジメントする余裕もありません。これまで親会社の総務が行っていた業務はすべて対応しようと努めましたが、自分たちの気づけない業務で抜け漏れがありましたし、手が回り切らずに社員のみなさんに迷惑をかけた部分もありました。
そうした状況でどのように対策を講じるか非常に困っていたときに、総務経験者が業務を支援してくれるゼロインさんのアウトソーシングサービスを知りました。
総務が抱えている仕事には、日常的に発生するルーチンワークと企画の仕事がありますが、ゼロインさんから「ルーチンワークはすべてゼロインに任せてください」という提案があり、まずはそこからお願いしようと動きだしました。
ゼロイン:最初は、総務業務が滞らないように業務を代行する総務経験スタッフ1名と、業務代行と並行して総務組織を立ち上げるための業務整理・コンサルティングを行うコンサルタント1名、計2名のサポート体制でスタートしました。
総務経験者の方に特定派遣で当社オフィスに常駐しながら業務を巻き取ってもらい、巻き取った業務量が増えてきたところでサポート人員を増員して、さらに業務委託に切り替えて完全に自走して総務業務を運用してもらう。そうしたサイクルがすぐに形になりました。
ゼロイン:お客様の業務を巻き取りながら業務整理やサービス品質向上に取り組み、同時にお客様がコア業務に注力できる環境を整える、というのがゼロインの強みです。ゼロインの提案やサービスで印象的だったものはありますか。
立ち上げ時期は、必要な業務項目について大枠は把握しているものの整理まではできておらず、マニュアルも何もないような状況でした。その混乱したタイミングで他社総務の知見を持つゼロインさんに入ってもらえたことで、運用だけでなく業務の切り分けからマニュアル化までまとめて進められたのは非常に助かりました。
ゼロイン:お手伝いを開始してから3カ月で100件近くの業務をマニュアル化した点で、ゼロインの中でも急ピッチで整理・立ち上げに伴走したプロジェクトでした。その後、2019年には本社オフィス移転を行い、新しい総務機能として総務カウンターも立ち上げました。
本社オフィス移転の際も、ゼロインさんから「オフィス移転もできますよ」と提案してもらい、オフィス移転プロジェクトもすべてお任せしました。
社内にオフィス移転経験者がいないため困っていましたが、移転で発生する総務業務から、オフィスフロアのデザイン、移転後のオフィス運用ルール設計まで、私たちの意見を取り入れながら実現まで導いてもらえました。
このオフィス移転では、移転前はビル管理会社から提供されていた社内便や什器管理のサービスを、新オフィスでは総務が担うことになりました。こちらもゼロインさんに基本的な運用の仕組みや運用ルールを設計してもらうことで、総務カウンターとして新しい社内サービスとして社内に提供できるようになりました。
総務業務のルーチンワーク代行だけではなく、オフィス移転プロジェクトや、移転後の新オフィスに必要な運用設計までワンストップで引き受けてもらえたのは非常に頼もしかったです。
総務は業務領域が非常に幅広いのでさまざまな業務が出てきますが、「これもお願いできる?」「あれもお願いできる?」と次々に相談して業務を請けてもらった結果、現在の8名体制まで広がっています。
ゼロイン:総務から社内に向けたサービス品質も進化していると思います。社員のみなさんから、総務に対する期待や評価を感じる瞬間はありますか。
以前の総務と比較して変わったことは、社員が困りごとを何でも総務カウンターに相談しに来るようになったことです。それは他部署に聞くべき内容では、ということでも、総務カウンターに声がかかります。
困りごとを解決してくれる、話を聞いてもらえる、という信頼と期待が総務カウンターにはあるのだと思います。総務カウンターは当社にとって初めての機能でしたが、ゼロインさんが取り仕切って社員とのコミュニケーションを積み重ねたことで、誰でも知っている、非常に頼りにされる存在になっていると思います。
ゼロイン:5年以上の期間、総務パートナーとしてお手伝いしてきましたが、ゼロインの総務サービスにどのような印象や感想をお持ちですか。
ゼロインさんに委託したことで、アウトソーシングに対するイメージは大きく変わりました。請負や派遣は、決められた仕事を淡々とこなして終わり、という程度の認識でした。
それがゼロインさんに頼むと、請け負った仕事をいかに効率よく回すのかを考えながら改善を提案してくれたり、周辺業務との関連性を見つけて新しい業務を巻き取ってくれたり、依頼した仕事を飛び越えて、そこまでやってくれるのかという驚きを持ちました。
新しい業務の相談をした際にも、相談から1週間程度で「こうしたやり方で対応できそうです」と実現に向けた具体的な提案をもらえるので、スピード感を持った総務運営ができる原動力になっています。
総務組織の運営観点では、週次・月次で行われる報告会も役立っています。総務の全体や実情の把握はなかなか難しいものですが、「どの業務にどれくらい時間がかかったのか」を詳細に分析・レポートしてもらえるので、「今月はこの業務で忙しかったのか」「社内便でトラブルが起きたのか」と振り返りと対策を行えます。
「ゼロインさんって高いよね」という話を冗談半分ですることがありますが、業務委託の金額だけを見ると高いかもしれません。ただ、それ以上の価値を総務や全社に提供してくれていると感じており、新しい業務への対応が必要になったときも、まずは「ゼロインさん、これできない?」と声をかける。そうした立ち位置にいてもらっています。
ゼロイン:ありがとうございます。最後に、総務で今後取り組んでいきたいテーマをお教えください。
東芝時代と比較すると小さな規模になりましたが、本社以外にも横浜や四日市を代表に各地に事業所があります。それぞれで総務的な機能を持っており、個別にオペレーションが動いているのが現状です。
本来、どの事業所に行っても申請や手続きなど基礎の部分は共通の仕組みが必要です。ゼロインさんとつくりあげた本社総務のモデルと知見があるので、それらを展開することで、社員がどの事業所にいても違和感なく仕事に取り組める環境づくりを実現していきたいですね。